「子どもは吸収力・記憶力が良いから英単語の暗記も得意なのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、何のストーリー性もないものを機械的に暗記することは苦手です。一般的に大人より耐性が低いこともあり、むしろ大人より子どもの方が英単語の暗記は苦手、と考えましょう。
ここでは、子どもに効率的に英単語を暗記させるコツをご紹介しています。
小学生に英単語を暗記させることは、簡単ではありません。興味のあることやストーリー性のあることには驚くべき記憶力を発揮しますが、とにかく機械的な暗記作業は避けたがるからです。
小学生に英単語を効率的に暗記させる特別な方法はあるのでしょうか?
結論からいうと、大人が英単語を暗記するときと同様に、子どもも英単語を暗記するためには反復学習が大事です。
この記事をお読みになっている親御さんの多くも、過去には英単語の暗記に苦労した覚えがあるのではないでしょうか。英単語カードを作成したり、ノートに何度も書いて練習したりなど、色々な方法を試しては挫折したこともあるかもしれません。
それら色々な方法のうち、もっとも記憶効果が高かった方法は、結局のところ「英単語集に反復して目を通す」というものだったはずです。何の味気もなく面白くもない方法ですが、時間あたりの暗記量で比較すれば、この方法がもっとも効率的な英単語の記憶法だったに違いありません。
「英単語集を開き、一つ一つの単語を口に出して発音し、それぞれの意味を思い出す」という作業の繰り返しが、子どもにとって効率的な英単語暗記法になります。
小学生は、ストーリー性のない機械的な作業を好みません。そのため、英単語の反復学習も苦手な傾向がありますが、ほかにも「文法知識の不足」が原因で英単語の勉強が進まないという側面もあります。
例えば、小学生は「play」という英単語について、最初に「遊ぶ」「(スポーツを)する」という動詞としての意味を覚えます。この知識しかない状態のまま、仮に「I enjoyed the play.」という英文を見たとき、「the」がついているにも関わらず「play」を動詞として捉えてしまい、無理な和訳により頭が混乱したことで、その意味を正しく記憶に残せないことがあります。
あるいは、「go」という単語は知っていても、同じ単語が過去形になると「went」という全く別の単語に変化する、ということを知らない子どもも多くいます。不規則変化という概念を知らなければ、「went」を見て新しい単語が登場したと理解し、あるべき英単語学習のプロセスが崩壊します。
子どもたちにおける文法知識の不足は、大人が想像する以上に英単語暗記へ影響を及ぼしていると考えられます。
歌や絵本などを通じて楽しく自然に英単語を覚えていければ理想的ですが、覚えるべき英単語の数が増えてくるにしたがい、遊びの中で楽しく覚えるだけでは間に合わなくなります。
その際、まずは少しでも英語嫌いにならないよう様々な方法で英単語の暗記を試してみましょう。どんな方法を試しても効率的に暗記が進まないようならば、最終的には「反復学習による丸暗記」がもっとも効率的です。親も一緒に丸暗記の競争をするなどして、子どもと一緒に楽しみながら英単語を蓄積していきましょう。